合同会社臨床運動障害研究会

レポート18 新しい試み

平成25年10月30日

 

今月は、活動に新たな変化が出ました。とりあえず枚数限定ですが「カルテ」の試みが始まりました。
ADRにカルテはないのかというとそうではないです。TF部において、CVA ptに対しては初期評価を行い文章で紙に記載しています。しかし、それ以降は記載することはなく、整形疾患に至っては記録すらしない状態でした。でもDr.は、電子カルテがあり診察毎に記載しており、セラピストも書ける欄があります。TF部はシステムが整っていないとの理由で、Dr.の記載を閲覧するだけでした。じゃあptの状態の変化をどうやって比べてるのか、どうやってDr.に伝えるのか、等々の疑問を持ちました。また目標設定がないため、疾患だけに囚われ過ぎ、生活全体を考えられていないことが長期に渡るRHの原因の1つになっていると感じました。

その疑問と自分の考えについてCPと話し合い、それらの解決のため簡単な「カルテ」を導入してはどうかと提案し、原案を見せました。ADRでは「Dr.初診しRH回数を決めてRHオーダー→その回数のRH実施→Dr.再診」が通常の流れです。その初回RHと最終RH時に、基本動作、Barthal Index、ROM-t、疼痛、目標等を記載するというもの。これによりptの変化が見て取れ、ADLの何が出来ないのか、また生活に目がいくキッカケになればとの思いがあります。
ptは診療カードを持ってこないと診察やRHは受けれないので、カルテをそのカードサイズに製作し、貼り付るといったものです。内容はホント簡単なものなんですが、CPはすごく共感してくれました。

TF部だけでなく他部署も巻き込もうと思い、次はDr.診療部長と同様の話と協力をお願いしました。Dr.もptの変化を見て取れ、予後予測が立てやすいのではないか、継続してRHが必要なのかどうか判断しやすいのではないかと加えて説明したところ、Dr.部長もすごく納得し気に入ってくれ、原案の手直し等にも積極的に関わってくれました。そしてDr.診療部長にRH Dr.全体をまとめる広報をお願いしたんですが、僕がプレゼンした方がイイとのことで、Dr.全体会議でプレゼンと協力依頼をしました。

次はTF部セラピスト全体に対してプレゼンを行いました。プレゼンは、イメージがつき易いように3つの実証例を交えて作りました。僕が全部一人ですると楽なんですが、同僚皆と作っていきたいという思いがあり、同僚のNatalioにプレゼンをお願いしました。Natalioは30年ADRで働いており、義肢関係を主に診ています。そういった古株の人がセラピスト全体に促すことで、全体がまとまり易いのではないかと考えたからです。彼とこの話をした時に、以前カルテ様な物があったがRH Dr.の協力が得られなかった事実等いままでの経過や彼らの本音も知り、また僕が結果セラピストの仕事を増やしてしまうということで非難されるのではないかと心配もしてくれました。現在のDr.診療部長の人柄やptのためであることなどを説明することで快諾してくれました。結果、15分程の予定の動画も交えた15枚程のスライドにNatalioの考えも交えながら1時間弱もかけて説明してくれました。朝一行ったためptを待たせることになり僕は冷々しましたが、いろんな意見も出てすごくイイプレゼンだったと思います。

でもこれって7月の話なんですよね。。。。それから上層部の了承を得て等々、最終的に物が手元に届いたのが3ヶ月かかった今月です。ちょっと時間かかり過ぎっ!1つのことを始めるのには、ホント時間と労力が必要になります。ですが、何はともあれ新しいことを試せるということは1つの変化。継続すればイイですけどね。

 TFプレゼン時にTOにも広報してあったんです。しかし前日まで連絡が届いてなかったということで、TOは1人しか参加してくれませんでした。後日、TOに対してプレゼンを行い、情報共有、共通目標を持つことはチームRHの第一歩であると話したんですが、、、、TO部長は「何故TFがBarthal Indexを記載するのか、ADLの練習(起き上がり等の基本動作を含む)をするのか」、「ADL練習はTOが行うことでありTFは職域を侵すな」と言われてしまい、「効率のよいRH提供のため・すべてADL向上のためにRHを行ってるのではないか」等説明をしましたが、理解は得られませんでした。彼女も口では「terapia equipo」(= team RH)とよく言うんですが、熱くなったためか「R.D.では部署間での協力なんて無理なのよ」とまで言われました。team RHってどういった物を想像してるんでしょうかね。翌日「昨日はごめんなさい」って手紙をくれましたが、カルテが始まってもやっぱり協力はないです。今まで何人もボランティアを受け入れてきた部署であっても、こんな感じです。いろいろと難しいですね。

ということで、とりあえずDr.-TF間とで始めています。ただTO部にも、5代目のボランティアがいます。彼女もセラピストに対して少しずつ促してくれてるし、少なからず興味を持ってくれているセラピストもいます。僕の任期中は難しくても、少しずつ「equipo」が形成されていけばいいなぁと思います。

 国民的に飽きっぽい性格の人が多いので継続するかどうか解んないですが、考えてるだけじゃなくってまずは始めてみないと解らない!イイ結果が出るに越したことはないですが、どういう結果が出ようとも、それがまた次に繋がると思っています。最終的に根付かなくても意義を解してもらえればと思います。