合同会社臨床運動障害研究会

レポート30 エピローグ

2014年10月31日


帰国後しばらくは時差ボケが酷かったですが、少しずつ日常に慣れてきています。 2年前の秋前に旅立ってるので、日本の秋冬を体験するのは3年ぶりです。寒いのが苦手な僕としては、すでに日本の寒さにやられ気味です。。。。

 

帰国後早々、24-2同期リハビリ隊員全7人が集まり、話しました。上手くいった事、上手くいかなかった事、それぞれでした。それが「結果」です。人間誰もが「成功」という「結果」を求めると思います。でも「失敗」も「結果」。何故失敗したのか、導入の仕方が悪かったのか、そもそも必要なかったのか等々、原因を考えて次に活かすためのプロセスだと思います。これって「評価→プログラム立案→リハビリ実施→再評価→・・・・」と繰り返していく、僕たちセラピストの仕事と一緒だと思います。そもそも途上国での活動で、すべて1回で上手くいくほど甘いものではないと思います。 JICAボランティアには、一定時期にレポートが課されています。それは今後JICAボランティアになった人全員が閲覧することが可能です。同じ失敗を同じ地で繰り返してたら、ただの時間の無駄ですよね。先輩ボランティアの成功例や失敗例に、自分の考えややり方というスパイスを加えて自分色にして活動することが、成功への近道のように思います。成功したかどうかは別として、僕はそうすることで、まだスムースに活動出来たように思います。

 

僕は臨床2年目になった頃にある先生の勉強会に参加して、すごく感銘を受け、いろいろと気付かされました。「俺は何をしてきてんねん」と猛省したのを覚えています。1年目にも先輩から指導されてたんでしょうが、なんとかこなしてただけで全く解ってなかったですよね。なので、何事も本人が自覚しないと、興味を持たないと、身にはついていかないと思っています。僕はそんな「気付き」と「自覚」を同僚達にも与えられたらと思って活動してきました。それが今後、同僚達が変化を起こす第一歩、キッカケになると思っていました。 帰国して少し落ちついた今、改めて僕のしてきたことはどうだったのか、単なる押し付けになってなかったか、少しでも役に立てたのか等々、考えます。でも帰国後、同僚がFBにこんな書き込みを載せてくれてました。

Yasuhiro Shimizu eres un gran profesional, gracias por ser un ejemplo a seguir, 2años con nosotros ni se sintieron, un gran ser humano siempre preocupado por el paciente y por enaltecer nuestra profesión, por hacer valer nuestra voz como fisioterapeuta, pero eso solo se logra si nos preocupamos por prepararnos y por superarnos a nosotros mismos como profesionales . Cuando yo sea grande quiero ser como tú. T. Deseo grandes éxitos regreso a tu casa Japón y espero volvernos a encontrar éxitos. Arigato gozaimasu       (原文)

日本語訳にすると照れ臭いし、現地語だから良さがあると思うので書きませんが、これを読んで、ちゃんと響いてたんやなぁ、僕の後ろ姿を見てくれてたんやなぁと涙が出るくらいうれしかったし、2年間の活動がホントに報われた気持ちになりました。そんな事を書いてくれてある内容です。


いろいろと大変なこともありましたが、結果2年間は充実し、あっという間に過ぎた感じがするため、まるで夢を見ていたように感じます。今はネット普及のおかげで、どこにいてもすぐ連絡を取り合うことが出来るので、時々「今、何時や?café飲みにこい」って嫌がらせのTELしてくる元同僚もいます。スペイン語で応対してる自分を見て、夢やなかってんなぁと感じています。 僕は配属されたADRや同僚がすごく好きやったし、ADRに行くのが日常やったんで、今はまだ日本の生活に違和感を感じています。早く日本の社会復帰しないとヤバイですね。

 

CPが最後に僕に言ってくれたこと。 「『Adios(さようなら)』じゃなくて『Nos vemos pronto(またね)』だよ。」 今回築いた同僚達との関係は、今後もずーっと継続出来ればと思いますし、僕の財産の一つです。そして楽しいことも日本にいたら想像出来なかった苦労も、よい経験・糧となって、これからきっと僕の中で活きてくると思います。 JICAから課された最後の課題、「この経験の社会還元」。今はまだボンヤリとしか見えてないし、出来るかどうかも判らん将来のことを堂々と公開するのは、僕の性に合ってません。とりあえずJICAから、駒ヶ根にいる訓練生達にドミ共の「任国事情」とPTの「職種別活動セミナー」の講座講師の依頼をいただいたので、僕に出来る経験談を話しに行く予定です。このように自分のペースで、その時々に出来ることから始めていければと思っています。 そして今回活動してきて、僕に足りないと感じた部分を今後埋めていき、いつの日かADRへ同僚達に会いに行けたらなと思います。

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レポートは今回で終わりとなります。今後、皆様とは臨床運動障害研究会の勉強会でお会い出来ればと思います。私で出来るお話はさせていただきますので、気軽にお声をかけていただければと思います。

長らくレポートを読んでくださり、ありがとうございました。

 

FIN

 

Lic. Yasuhiro SHIMIZU, TF
31/Oct./2014