合同会社臨床運動障害研究会

ドミニカ共和国レポート

臨床運動障害研究会スタッフの清水康弘が、理学療法士として2012年9月より(2年間)ドミニカ共和国に赴任しました。
青年海外協力隊では、どのような面接・語学研修を経て海外へ飛び立つのか?また、現地でどのような活動を展開するのかをレポートさせて頂きます。
少しでも同じ目標を持たれた先生方のご参考になれば幸いです。

レポート15 施設紹介3

平成25年7月30日


仕事を辞めて早1年。前職場は僕が「理学療法士」という仕事を始めた職場であり、良い先輩、良い同期、良い同僚、良い仲間に巡りあえ、また今日の僕のPT基礎を作ってくれた職場です。僕自身、退職する日が来るとは思ってもいなかったですが、退職し異国に来てるからこそ、仲間のありがたみをより一層感じます。特にこの研究会で一緒させてもらってる方々には、アドバイスをいただいたり、相談にのってもらったりといつも助けてもらってます。今日、R.D.で活動できているのも、皆の助けがあってからこそだと思っています。この場を借りてお礼申し上げます!ありがとうございます!そして今後共々よろしくお願いしますv(^_^)

今月のある日、熱帯低気圧「CHANTAL」がR.D.に接近してきました。上陸予定が、結果かすめていっただけやったんで助かりました。前日に同僚に確認したところ、「仕事が休みになるわけないやん」ってことやったので、出勤時は小降りやったのもあって出勤しました。でも駅から出ると大雨。先日書いた通り、水捌けが悪いので道路はすでに小川状態。ズボンをまくり強行突破し職場着いた時には当然ベタベタ(-_-;) 来院してるptはさすがに少なかったけど、同僚は皆出勤してました。結果、JICAから午前で帰るように指示が出たので帰りましたが、帰るのはさらに一苦労(>_<) それなら朝から休みって指示くれれば、濡れんですんだのに。。。。 日本人だと指示やよっぽどのことがないと、やっぱり真面目に出勤してしまいますよね(^_^;)
今回はADRのLaboratorio Ortopedicoを紹介したいと思います。通称「Taller」と呼ばれており、ここにも義肢装具士のボランティアが派遣されています。
日本だと義肢装具士(PO:Proshetist and Orthotist)は合わさった資格ですが、こちらではProtesista:義肢士、 Ortesista:装具士と資格が分かれているようです。R.D.にはまだ養成機関がないため、年に数回海外から講師を来てくれ講義や実技実習を行っています。レポート提出や試験等を経て、問題なくいけば今年末にもADRのスタッフから有資格者が誕生するとのこと。頑張って欲しいものです。
一言で「taller」といっても、中では「義肢部門」「装具部門」「金具部門」「靴部門」と分かれています。スタッフ(っていうより職人かな)もたくさんおり、まさに男職場!愉快な奴等が働いています。でも、それぞれがそれぞれの仕事をしていて、ここでも部門間の交流ってのはあまりないように感じます。やっぱ「連携」ってのは難しいかなぁ(-_-;) 僕は「実際に現場を知らないと何も始められない」という点、「無理も含めいろいろ注文する際の良好な関係作り」のため、そして今まで実際に制作現場を身近で見る経験がなかったので「今後の自分のため」に、週に半日は見学に行くようにしています。
同僚POボランティア曰く、日本にもこれだけの規模の義肢装具部門が併設されている病院はあまりないのではないかとのこと。となれば、このtallerはADRの売りでもあるし、上手く連携出来れば何かすばらしいことが出来るのではないかと思わされます。でも、たたき上げの「職人」達の集まりなんで、いろいろ難しいでしょうけどねぇ(-_-;)

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今回はこのへんで失礼します。

レポート14 施設紹介2

平成25年6月28日


今月後半はぼちぼち本格的な雨季って感じになり、雨降りの日が多くなってきました。そのせいもあってか、最近は海に行く機会も減ってます。ちょっと日焼けが落ちてきたように感じますね(>_<) 海行きたいぃーですが、やっぱ自然にはかなわんです。。。。

今月は、2月に行われた学会「OTFOL」の講義をやっとADRにて開催することが出来ました。当初は4月に行う予定が忙しいからと延期、、、、、5月も忙しいからと延期、、、、7&8月とは講義をしてくる同僚&僕も私用のため開催出来ないことを伝えるとやっと実施することが出来ました。それも2時間の講義やのに、午後を休診にするまでの力の入れよう。イヤ、そこまでせんでも。。。。(-_-;)
科長からは「勉強会を実施して欲しい」、「時間がないから出来ない」ってよう解らん矛盾を言われてきましたが、1度実施すれば実施した事実が出来て次につながるし、今回の反省を踏まえて次出来るんで、まずは開催することが大切。よかった、よかったぁ。
今回は2月の反省を踏まえ、パワポ自体もパワーアップさせ、僕が信頼できる同僚に講義をお願いしました。講義してもらうのに内容を教えるため、同僚は5月の昼休憩後ほぼ毎日20分程嫌な顔一つせず、逆に喜んで付き合ってくれました。こいつがホンマにエエ奴なんですわ(>_<) 今回はウチのセラピスト、大学の実習学生合わせて約40人が参加。結果2月とは比べ物にならないくらい満足出来るものでした。講習会後は、学生が治療見学に来たり質問に来るようになりました。同僚もちょっと変化があるかなぁ。なかなか一気に全体的にとはいかないですけど、少しずつ、少しずつですね。

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今回はADRのTerapia Ocpacionalの紹介をしたいと思います。Terapia Ocpacionalは略して『TO』と呼ばれています。TO部門には科長と主任にあたる人がいて、その下に9人が働いています。その科長&主任共がTOボランティアのCPになっています。R.D.ではTOはまだ歴史が浅く、資格を持っている人はまだまだ少ない状態です。でもこの数少ないTO有資格者がADR本部には6人もいます。その中にはTF資格も持っているというツワモノもいます。養成校は首都の大学1校だけです。ADRでは支部すべてにもTOを置くため、TF同様、TOにも学費を補助して大学に通わせ養成しています。大学もまたTF&TO共に働きながら学べるように、また地方から来る学生の事も考慮し、主に週末に授業を固める配慮がなされてます。
TO室は引っ越ししてまだ1年程なので、すごくキレイです。キッチン、子供専用の部屋もあり、物も日本と同様の物がそこそこ充実してると思います。また集団RHを取り入れていたりします。
というのも、TOボランティアは現在5代目。今までのボランティアが頑張ってきた成果でしょうか。TOのCPも日本人ボランティアの扱いにも慣れていて理解もあります。日本人とは、、、、ボランティアとは、、、、と、1から始めた僕なんかにとっては羨ましい限りです(>_<) 僕のボランティア要請業務内容には、「他部門との連携」が記載されています。同じ日本人でも考え方も違うためなかなか難しいですが、僕は僕なりの「連携」の形を作っていければと思ってます。

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レポート13 施設紹介

平成25年5月30日


日本は梅雨ですね。ドミニカ共和国(以下、R.D.)も雨期に入りました。梅雨は7月中旬までですが、雨期は11月まで続くとのこと。今のところ日本のように丸一日雨が降ってることはほとんどなく、水道の蛇口を一気に開けて一気に閉めるって感じの雨降りが多いです。いきなり降ってくるので、この時期は折りたたみ傘が必需品です。R.D.では、道路周りにゴミが散乱しているため、雨が降ると排水が詰まり、道路のあちこちで雨水が溢れて池のようになってしまいます。先日、環境教育隊員と話をしましたが、ゴミ問題に関してもいろいろとたいへんなようです(>_<) 雨期と同時にciclonの時期でもあります。昨年はsandyがドミ共をかすめて北上しNYで大暴れました。ドミ共はかすめただけですごい暴風雨やったので、上陸したNYはさぞかし。。。。やったでしょうね(^_^;)

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今回は私の派遣先ADRのPT部門紹介をしたいと思います。
理学療法は『Terapia Fisica』、略して『TF』と呼ばれています。
TF部門は、まず日本でいう科長と主任にあたる人がいて、その下で23人のスタッフが働いています。 その科長と主任にあたる人が僕のCPとなってます。
8~16時までが通常勤務時間ですが、それではとてもptが終わらないので、毎日半分程は残業してます。だいたい18時頃まででしょうか。1人1日にだいたい15~20人のptを診ています。

そしてスタッフ全員がpt免許を持っているわけではなく、下記のように分れています。
・terapeuta Fisico(理学療法士):専門資格で資格取得まで最低4年間必要です。養成校は首都Santo Domingoと第二の都市Santiagoに2校大学があります。ADRにも実習学生が毎日来てます。学生に教えることも今後のR.Dの発展に繋がると思うので、学生が見学に来たり質問されると僕もつたないスペイン語で学生指導も行っています。ただガムを噛んでいたり、椅子に座って話し込んでいたりと、日本の実習だと「即終了」ってな雰囲気の違いはありますが(^_^;)
・Terapeuta Fisico Tecnico(理学療法士技術者):専門資格で資格取得まで最低2年間必要とのこと。
・Auxiliar(助手):働きながら大学に通う学生です。ただAuxiliarであっても免許保持者同様、しっかり同額のお金をもらってRHを行っています(^_^;) じゃあ資格持たなくてもイイんじゃないの?ってなりますが、ADRでは資格によって給料が違うみたいですし、しっかり専門知識を持ったセラピスト養成ためADRが学費の負担をして大学に通わせるみたいです。

ptがRHを受けるためには、日本同様Dr.の初診が必要で診察後Dr.がRH必要と判断すればRHオーダーが出されます。ADRはNGO団体のため、ptが希望すればなかなか断ることができないとか。これがpt数がやたら多い要因の1つであると思うのですが、中にはRH goalや意義が見えないptも見かけられます。診察時にDr.からptの状態、予後等を『しっかり』説明してもらう必要があると考えています。RHはだいたい12回が1setになっていて12回後にDr.再診という形式のようです。再診時にRH継続か否かが決められます。Dr.診療部長とも話しましたが、今後変えていこうと考えているようでした。僕にも何か手伝えることがあるのかなぁ(-_-)

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